2013年11月12日火曜日

中国労働教養所からの手紙:ハロウィーン用品に救いを託したSOS

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CNN ニュース 2013.11.07 Thu posted at 13:23 JST
http://www.cnn.co.jp/special/cnnasia/35039573.html?tag=top;topSp

ハロウィーン用品からSOSの手紙 中国労働教養所の実態告発


●中国労働教養所からの手紙

見つかった手紙=ジェリー・キースさん提供
ハロウィーン用品から助け求める手紙

(CNN)
 米オレゴン州で販売された中国製のハロウィーン用品セットの中から、中国の労働教養所の過酷な実態を訴える1通の手紙が見つかり、世界の脚光を浴びる出来事があった。
 CNNは数カ月がかりの取材で手紙を書いた男性を見つけ出し、匿名を条件に北京支局で話を聞くことができた。

 発端は、オレゴン州ダマスカスに住むジュリー・キースさんが地元のスーパーマーケットで29ドルで買ったハロウィーン装飾グッズのセットだった。
 昨年のハロウィーンを前に包装を解いたところ、中から1通の手紙が出て来た。

 「この商品を買った方へ。どうかこの手紙を世界人権機関に届けてください」。
 英語と中国語で助けを求める内容だった。

 手紙の主は、この製品を製造している「馬三家労働教養所」の収容者を名乗り、過酷な労働を強いられ、言葉や暴力による虐待や拷問を受けている実態を記していた。

 最初はでっちあげかもしれないと疑ったキースさんだが、インターネットで調べた結果、本当かもしれないと思うようになった。

 「中国の強制労働所のことは知っていたが、これは顔面を殴られたような衝撃だった。
 この人が今も生きているのか死亡したのかは分からない」
と話す。

 手紙は差出人の希望通り人権団体に届けたが、返答はなかった。
 そこでフェイスブックに掲載したところ、地元の新聞が1面で取り上げ、一躍、中国の労働教養所の実態に各国の注目が集まった。

 CNNは信頼できる筋を通じてこの手紙を書いたという男性を探し出した。
 男性は既に出所して北京で暮らしており、身元が分かれば再び労働教養所に送り返される恐れもあるため、匿名で取材に応じた。

 男性は、中国が活動を禁止している気功集団「法輪功」のメンバーで、2008年の北京五輪の数カ月前、警察に拘束され、禁錮2年半の判決を受けて馬三家労働教養所に収容されたという。

 「あそこへ行ったことのない人には想像さえできないだろう」
 「彼らがまず始めにやることは、人としての尊厳を奪い、辱めることだ」
と振り返る。

 特にこの男性のように改宗を拒んだ収容者に対しては、組織的な暴行や、眠らせないなどの拷問が行われたと男性は言う。
 具体的な内容はあまりに残虐過ぎて口にできないと話した。

 「商品の製造作業をしている間は恐ろしい暴力から逃れられた」
 「きちんと仕事をしている限りは自分たちの身を守ることができ、言葉や暴力による虐待を免れることができた」
という。

 収容所の恐ろしい現状を伝えたいとの思いから、密かに収容者教化のためのノートのページを破り、顔見知りになった人物からボールペンを入手。
 夜間、全員が寝静まった時を見計らって看守の目を盗み、1通当たり2~3日かけて20通の手紙を書き上げ、ハロウィーン用品セットの中にしのばせた。

 キースさんに届いたのは、その中の1通だった。

 馬三家労働教養所は遼寧省の省都、瀋陽市の郊外にある。
 CNNが10月下旬に取材に訪れた時点では、既に閉鎖されているように見えた。

 かつてここに収容されていたという50歳の女性は、
 「毎朝4時15分に起こされて午前6時から正午まで働き、30分の昼食時間とトイレ休憩をはさんで5時半まで働いた。
 仕事が多ければ深夜まで働かされることもあり、仕事が終わらなければ罰を受ける」
と振り返った。

 教養所ではイタリア向けのダウンジャケットや韓国向けのシャツを製造させられた。
 重労働のために体調を崩して倒れた時も治療は受けられず、看守の命令を受けた同僚に椅子などで殴られて意識を失った。
 意識を取り戻すとまた働かされたという。
 「ここは地上の地獄だった」
と女性は語る。

 この女性の話では、同教養所に最後まで残っていた収監者は9月中旬に釈放されたという。

 しかし馬三家労働教養所は中国に数百カ所ある教養所の1つにすぎない。
 国連の2009年の報告書によると、
 中国全土にこうした施設は320カ所あり、19万人が収容されていた。

 ただ、昨年の中国指導部刷新により、この制度を見直す動きも出ている。

 ハロウィーン用品に手紙をしのばせた男性は、改めてキースさんに手紙を出し、感謝の言葉と共に、共産党支配の下、
 「中国は1つの大きな労働教養所のようなものです
と書き添えた。



レコードチャイナ 配信日時:2013年11月12日 6時40分

習主席の「労働再教育制度」撤廃に大きな抵抗―米華字メディア


●7日、米華字メディア・多維新聞は、ロイターの報道として、習近平国家主席が推し進める労働を通じた再教育「労働再教育制度」の撤廃が大きな抵抗を受けていると報じた。資料写真。


 2013年11月7日、米華字メディア・多維新聞によると、ロイターは6日、中国共産党指導者筋の話として、習近平(シー・ジンピン)国家主席が推し進める労働を通じた再教育「労働再教育制度」の撤廃が大きな抵抗を受けていると報じた。

 習主席の父・習仲勲(シー・ジョンシュン)元副首相は、文化大革命中に無実の罪を着せられ、その職を解かれ、十数年もの間、強制的に拘束されたという歴史を持つ。
 習主席がいまだに労働再教育制度を撤廃できないのは、彼が持つ権力が見た目ほど大きくないことを物語っているのかもしれない。

 1990年代から習主席をよく知る某氏は「習主席は労働再教育制度を恨んでいるはずだ」と語る。

 他の消息筋によれば、習主席は中国共産党中央政法委員会の孟建柱(モン・ジエンジュウ)書記が提出した労働再教育制度撤廃に向けた提案に同意を示したが、党内保守派の抵抗を受けたという。

 共産党および政府内の複数の関係筋も、習主席による決定が党内で否決されたケースが複数回あることを明らかにした。
 習主席は党・政府・軍事の最高責任者でありながら、その権威は表面上のほどではないのかもしれない。

 ある二つの消息筋によると、習主席は、重要な政治・社会改革の推進において抵抗を受けつつも、ここ数カ月は為替政策や銀行システム、上海自由貿易区の設立など重要な改革に着手してきた。
 しかし各省、各委員会、中央銀行などからの反対の声は依然として根強い。

 習主席が、人権保護や貧富の格差、沿海部と内陸部の格差、都市と農村の格差といった中国が直面する重要な政治・社会問題を解決できなければ、政局は不安定になりかねない。
 山西省太原市の共産党委員会庁舎付近で11月6日に起きた連続爆発事件では、1人が死亡、8人が重軽傷を負った。
 10月28日に北京の天安門でも車両突入事件が起き、5人死亡、重軽傷40人と、情勢は厳しさを増している。


レコードチャイナ 配信日時:2013年11月16日 18時24分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79235&type=0

<三中全会>労働教養制度を廃止、死刑の適用犯罪も減少へ―中国

2013年11月15日、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)で審議・採択された「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」(「決定」)の全文が発表された。

 「決定」では、人権司法保障制度をさらに改善していくことが打ち出された。
 国家は人権を尊重し、保障する。
 事件にかかわりのある財産の差し押さえ・押収・凍結・処理の司法プロセスをさらに規範化する。
 誤審防止・是正・責任追究の仕組みを整備し、拷問による自供の強要や体罰、虐待を厳しく禁じ、違法な証拠は排除するという規則を厳しく実行する。
 死刑の適用犯罪を徐々に減らす。

 労働教養(労働を通じた再教育)制度を廃止し、違法犯罪行為に対する処罰と矯正の法律を改善し、地域社会における矯正制度を整備する。

 国家の司法救済制度を整備し、法律支援制度を改善する。
 弁護士の業務権利保障の仕組みと法律や規則に反した際の業務懲戒制度を整備し、職業道徳の普及を強化し、公民と法人の合法的権益を法にのっとって守る弁護士の重要な作用をよりよく発揮させる。

(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/TF)






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